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戦闘機人 クロスワールド IS編 No.4

黒幕が最後ではない模様。
ようやくギンガのISの名前が正式決定しました。






簪が戦闘機人に生まれ変わった後、ギンガと簪は着々とIS学園の生徒を改造していた。
そんな中ギンガは一人で日本近海の無人島にいた。
人間として生きていた頃に習得した転移魔法を使っての移動は、ギンガにとって不愉快以外のなにものでもない。
しかしある意味敵地であり、魔法技術の発達していないこの世界で長距離移動をする為にはこれ以外なかった。
だがそうまでしてギンガがこの無人島へと赴いたのは理由がある。
一つは結界を張れば外界と隔離が簡単だということ。
もう一つはこれから会う人物がおいそれと人前に出てこないからだということ。
その人物をこちら側に引き入れることを考えればこの程度は安いものだ。
「…どうやらおでましね」
岩に腰掛け、目をつむっていたギンガの前に巨大な人参が飛来してきた。
人参が二つに割れると、中からナニカが高速で飛び出してきた。
飛び出してきたナニカは一直線にギンガに向かってきた。
だがギンガはそのナニカの攻撃を、簡単に躱した。
「チッ」
「あらあら、女性が舌打ちなんてするものじゃないですよ?篠ノ之束博士?」
ギンガを襲ったモノ。
それはISの開発者にして世界でも五指に入るほどの戦闘能力をもった篠ノ之束だった。
「お前があのメッセージの送信者か」
「ええ、その通りですよ」
ニヤニヤと嘲うギンガを、束は敵意をむきだして睨んでいた。
「お前…一体なに?」
「何と聞かれても…貴方には理解できないでしょうね」
「っ!」
ギンガの言葉にまたも束は怒りを増した。
「私が理解できないだと!?」
「ええ。だって理解できないからわざわざこんな所まで来たのでしょう?」
「ーーーっ!!!」
ギンガの挑発に束はどんどん陥っていく。
束がどうしてここまで激怒しているのか。
それはギンガが束に連絡した方法にある。
ギンガのISインヒューレントスキル、マキナ・レジェトリーはあらゆる機械を支配下に置くことができる。
その力で簪が持っていたISコアにアクセスし、束しかわからないようにメッセージを送った。
『貴方の作ったコレ、存分に使わせてもらいますね?』
これがどれだけ束の逆鱗を逆なでしたか。
己の作った我が子とも分身とも言えるISコアをコレ扱いし、それを好き勝手に使うとのたまってきた。
普段ならば戯言と無視する所だが、今回のメッセージはISコアのネットワークを利用して送られてきた。
この事からこの相手の言っている事は真実なのだろう。
そう結論付けた束の行動は早かった。
発信したISコアを特定し、その場所を割り出した。
その場所は日本近海の無人島。
明らかに罠である事は明白だったが、束には冷静な判断力など残っていなかった。
それに束自身の戦闘力はISを相手にしても張り合えるレベルであり、ISを造りだしたという自負心からどんな状況にも対処できるという驕りもあった。
だが現実はどうか?
怒りに身を任せているとはいえ、束の攻撃は常人には目で追う事すら難しいはず。
だというのに相手の女はいとも簡単に回避している。
その顔に馬鹿にしたような笑みを浮かべながら。
「…」
「あら、もうお終い?」
時間にして数分程経って、ようやく束はその動きを止めた。
攻撃が全く届かない事が逆に束を冷静にさせた。
只の肉弾戦では相手が上。
ならばどうするか?
「ハッ!」
答えは決まっているとも言える顔で、束は指を鳴らした。
そして現れるは量子変換されていた兵器。
ミサイルにレーザー、空間兵器や実体弾まである。
それらは一斉にギンガに向かって発射される。
と同時に束も駆け出す。
例え襲い掛かる兵器を止めた所で自分は止められまい。
確信にも似た感覚に束は気分を高揚させていた。
「クスッ」
「ガハッ!?」
しかし次の瞬間束を襲ったのは予想外の衝撃だった。
何が起こった?
それを理解する前に束は自身の出した兵器に襲われた。
「……へぇ、人間にしては随分頑丈じゃない?」
相変わらず腕を胸の下で組んだままのギンガは、あえてそう言葉にした。
「カハッ…ぐぞぉ…」
全身血まみれではあるが、束はギンガを睨みつけていた。
「あらあら、ご自慢の体術と兵器が通用しなかったのがよっぽどお気に召さなかったようですね?」
「うるさい!黙れ!グッ…」
回復速度も常人離れしている束とはいえ、重傷から復帰にはいささか時間がかかる。
そんな束にギンガはゆっくりと近づいてくる。
片手に注射銃のようなモノを持ちながら。
「束様!」
「くーちゃん!」
そんな二人の間に飛び込んできたのは銀髪の少女。
クロエ・クロニクル。
束に拾われて育てられた彼女は、母を助ける為についに飛び出してきた。
「束様にこれ以上の危害は加えさせません!」
「くーちゃん!ダメだよ!」
庇うクロエに逃げろと言う束。
感動的とも言える場面に、ギンガは嬉しそうに手を叩いた。
「ウフフ、なんとも感動的ですね。あんまりにも感動的だから…壊したくなりました」
ニィと口角を上げたギンガは、クロエに向かって指を向けた。
「っ!?」
「くーちゃん?」
突如固まったクロエを見て束は心配になって声をかけた。
しかしクロエからの返答はない。
というよりなにかを我慢しているように小刻みに震えている。
「…あ…あぁ…」
「っ!」
ゆっくりと振り向いたクロエの表情は泣き崩れる一歩手前のようだった。
「たば…ね…様…」
「くーちゃん…くーちゃん!」
「にげ…て…」
「え?」
近付いてきたクロエは右手を大きく振り上げていた。
「がふぁ!?」
次の瞬間束を襲ったのは今までにないほどの衝撃。
うずくまっていた束めがけてクロエがISを部分展開して殴りかかってきた。
辛うじて骨は折れていないようだが、それでも束が受けたダメージは計り知れない。
「どう…して…」
「束…様ぁ…」
意識の薄れゆく束をクロエは片腕で持ち上げた。
「残念ね、貴方の身体はもはや私のモノ。恨むんだったらその身体にナノマシンやらを埋め込んだ人を恨むことね」
「…っ!」
相手の女が何をしているかはわからない。
だが自分が愛する束を攻撃しているのは間違いなくあの女のせい。
それが今一度認識させれたクロエはとうとう泣き出した。
「かひゅー…かひゅー…」
「お願い…します…束様は…どうか束様だけは…」
「ウフフ、だぁめ」
ギンガの答えにクロエは崩れ落ちそうになる。
しかし身体のコントロールはギンガが握っている為にそれもできない。
いっそのこと意識を奪ってくれればどんなに良いか。
だがあえてそうしないのはギンガの計画であり趣向でもある。
精神を弱らせる他にプライドの高い女を屈服させるという悦楽をギンガは楽しんでいた。
一方の束は自尊心の全てをへし折られ、愛する娘に追い詰められ、心も身体もボロボロだった。
「さて、そろそろ終わらせましょうか」
「ひっ!」
「ぐぇ!」
クロエが悲鳴を上げると同時に、束の口から無様な声が聞こえてきた。
「さ、貴方もおやすみなさい?」
「あぁ…」
ぐるんと白目を向くようにクロエもその場に倒れ伏した。
気絶した二人をギンガは不敵な笑みを浮かべていた。


次回更新予定 2/22
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