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戦闘機人新生 前篇

今日から二日にかけて戦闘機人ssを投下します
自分の中では最長になったので分けました。
今回のターゲットは相変わらずのギンガさんです。



J・S事件から数年後、事件を起こした戦闘機人達は二手に分かれて生きていた。
片方は捜査に非協力的で収容所へ
もう片方は管理局に協力し、人間として、管理局員として生きていた。
そんな中、多くの妹を迎えたギンガ・ナカジマは一人収容所を歩いていた。
「・・・」
彼女が受けた連絡は予想外のものだった。
それは収容された戦闘機人の一人が管理局に協力したいと申し出た、という事だった。
そしてそれには条件があるとも。
「失礼します」
ギンガが部屋に入るとそこには薄紫の髪の戦闘機人が目を閉じて座っていた。
「ようやくね」
スッと瞳を開けた女性、戦闘機人No.1のウーノは薄らと笑みを浮かべた。
「私からもいくつか質問させてもらいます」
「ええ、どうぞ」
「何故、私を指定したんですか?」
「そんな事?それは…貴方の修復から再起動まで一番関わっていたのは私だから」
「っ!?」
ウーノが捜査に協力するかわりに提示した条件は、自身の監視や警護はギンガにさせるというものだった。
どうして自分なのか、それがギンガの気がかりだった。
彼女の妹ならば何人も外にいる。
その彼女達を差し置いて自分が指定された事に疑問を感じるのは当然の事だった。
「貴方を洗脳した事を悪いとは思ってないわ。ただドクターの命令に従っただけ」
「だったら!」
「でも…でもその時に私は何かを感じた。それがなんだったかは今でも分からないけど」
「…え?」
「逮捕され、ドクターの命令が無くなってからは一人きり。何をするでも考えるでもなかった。
 でも気が付くと貴方の事を考えていたわ」
「……」
「ドクター以外に製造され、局員に保護され人間として生きていた貴方。
 最初こそ、いえ今でもそれは理解できない。だって私達は兵器なんですから」
「違う」
「はい?」
「それは違います。人は…いえ生き物は自分で自分を決めることができる。
 生まれがどうあれ私達は人として生きる事ができる。貴方も」
「そう…なのかしら?」
「ええ!その為のお手伝いはしますから!」
とびきりの笑顔で手を差し伸べるギンガに、ウーノは戸惑いながら手を出した。
「これからよろしくお願いします。ウーノさん」
「ええ、よろしく」
そしてギンガとウーノの共同生活が始まった。









それからギンガは管理局の仕事よりもウーノといる時間を増やしていった。
データから日常生活をこなせるウーノだったが、それはただ行っているだけ。
そこには喜びも悲しみもない。ただの作業だ。
ギンガはそんなウーノに人としての喜びや苦労をあえて与えていた。
それが彼女を人として更生させるのに必要だと思っていた。
「ただいま帰りました」
「おかえり。夕飯はできているわ」
「ありがとうございます。じゃあ着替えてきますね」
そのかいあってウーノは日常生活を送れるようになっていた。
人としての言葉遣いや価値観。
それをようやく理解してくれたとギンガは内心喜んでいた。
「美味しいです」
「そう、ネット上に良さそうなレシピがあったからデータをダウンロードしてみたわ」
「ウーノさん、もう戦闘機人の力は使わない約束ですよ?」
「これくらいなら別に…いえ、そうだったわね」
「はい、明日は私も休みなので何処かへ行きませんか?」
「何処か、と言われても私には行きたい所はないわよ?」
「でしたらお買いものに行きましょう。いつまでもウーノさんの服が二着だけでは外に出かけるのも苦労しますし」
「別にこれでも構わないわよ?それに外出なんてそうそうできないし」
「これもプログラムの一環ですよ」
ニッコリと笑顔を浮かべるギンガにウーノはしぶしぶ従った。
「わかった、行き先は貴方に任せるわ。それに少し興味が湧いてきたわ」
「はい!」
次第に機械ではなく人間として意識してくれている。
それだけでギンガは嬉しくなっていった。

そして翌日、ギンガとウーノは複合商業施設に足を運んでいた。
「これなんてどうですか?」
「…私に聞かないでちょうだい」
ギンガは楽しそうにウーノの服を選んでいたが、一方のウーノは少し疲れていた。
「服なんて2~3パターンあれば十分よ」
「そんな事ないですよ。ウーノさんは美人なんだし、色々似合うと思いますよ?」
「はぁ…好きになさい」
それから二人は生活雑貨を見て回ったり、昼食の取りながらお茶を楽しんだりとデートのような一日を過ごしていた。
「ん~!今日は楽しかったですね!」
「ええ、そうね」
うっすらとだが笑みを浮かべるウーノを見て、ギンガは誘って正解だったと思った。
「ウーノさん」
「なにかしら?」
「もし、もし私と離れて一人で暮らすことになったらどうします?」
「あら、もうそんなに私の評価は高いのかしら?」
「いえ、具体的にその話が来た訳じゃないんです。でも…将来そうなった時にウーノさんがなにをしたいか、
 それを考えておいて欲しいんです」
「私が?」
「はい、私は母さんに助けられて局員を目指しました。ウーノさんも自分のしたい事をゆっくりでもいいので見つけてください」
「それは命令かしら?」
「いいえ、同じ境遇の先輩からのアドバイスです」
「そう…」
満面の笑顔のギンガを見て、ウーノはフッと小さく笑った。















それからしばらくして、仕事から帰ってきてそうそうにウーノを呼び出した。
「ウーノさん、少しいいですか?」
「なにかしら?」
「実はこれから数日をかけて私はメンテナンスに入ります」
「メンテナンス?」
「ええ、私も戦闘機人であることからは逃げられません。その為のメンテナンスは定期的にしているんです」
「それで?」
「本来であれば保護観察中の貴方にこんな事を話すのは厳禁なんですけど、同じ戦闘機人であり、
 あのスカリエッティの秘書を務めていた貴方ならより私達の身体の事を知っているのではないかと思いまして」
「確かに私はドクターの補佐として戦闘機人や人造魔導師製造に携わってきたわ。
 でもその私に貴方の身体を弄らせて平気なのかしら?」
「いえ、主な操作はマリーさんがする予定です。ウーノさんはその補佐をしてください」
「補佐というと?」
「効率やメンテナンスのアドバイスがもらえればと…どうでしょう?」
「私は構わないわ」
「ありがとうございます」
ギンガはウーノをメンテナンスに立ち会わせる程、彼女を信頼していた。
保護観察官としても、個人としても。

そしてメンテナンス当日、ギンガは全裸でメンテナンス用ベットに横たわっていた。
『それじゃあ始めるね?』
「はい、よろしくお願いします」
『じゃあしばらく眠ってもらうね?』
マリエスが機器を操作するとギンガの意識は次第に薄れていった。

















「よし、それじゃあ全身のチェックから始めましょう!」
「ええ」
モニターに向かったマリエルの背後にウーノは静かに近寄り、無痛注射を首に押し当てた。
「ギッ!?」
「悪いわね、貴方の事を利用させてもらうわ」
注射器の中身が全て注入されると、マリエルは泡を吹きながら痙攣し始めた。
「ギィ!グゥ!ガハッ!」
「もう聞こえていないと思うけど説明してあげるわ。貴方に注入したのは私が作ったナノマシンよ。
 それが脊髄を通って貴方の脳を支配すれば貴方は私の意のまま」
そう説明をしているウーノの表情はギンガと共にいた笑顔ではなく、スカリエッティと共にいた時と同じ笑みを浮かべていた。
「さて、どうかしら?」
ウーノが腕を組んで待っていると、マリエルの痙攣がようやく収まった。
「起動確認。ゴ命令ヲ」
「その個体の支配はどこまで進んでる?」
「ハイ、マモナク掌握完了デス。プロセス、終了シマシタ」
「ではタイプゼロのデータを出しなさい」
「了解シマシタ」
ナノマシンによって支配されたマリエルは機械的にウーノに答えた。
「コレガタイプゼロ・ファースト、セカンドの全データデス」
「ご苦労様、しばらく待機していなさい」
「了解デス」
マリエルからもたらされたデータをウーノは自身にダウンロードしていた。
「へぇ…ドクターに利用されていたにも関わらず以前と同じままなのね。愚かしい事…」
手に入れたギンガのデータは、以前鹵獲した時とほとんど変わっていなかった。
それはウーノには好都合であり、また問題でもあった。
「改造は簡単だけど、前回と同じでは洗脳が不十分ね…」
前回スカリエッティが施した洗脳は、彼女の意識を抑えていただけだった。
それは時間的な問題もあったが、なによりも足りなかったのは彼女のデータ。
稼働時間から反応速度、そして稼働限界値など一から解析するには膨大な時間がかかる。
よってしかたなく意識を抑え、カジェトのような機械にするしかなかった。
だが今回は違う。
時間もデータも施設もある。
この状況こそウーノが狙っていたものだった。
「さて、まずは…記憶処理から始めましょうか」
ウーノが手を付けたのはギンガの好み。
ギンガが好む服や食事の味、そして性的嗜好である。
服装はゆったりとしたものからボディラインを強調するピッチリしたものに。
食事はナノマシン入りのものを好みに。
そして性的な事への抵抗を減少させ、女性に対して性的興奮を抱くように調整した。
この程度のことならば自分の好みが変わったのか?程度の認識で終わる。
なによりそれらの事に違和感を感じないようにも調整されていた。
「ここで焦って調整するより時間をかけてゆっくりと改造した方が賢明ね」
フフフと笑いながらウーノはギンガの頭の中を着々と書き換えていった。
そして書き換えが完了すると、今度はマリエルの方へ向いた。
「貴方はアレのメンテナンスがしばらくかかることにしておきなさい」
「ワカリマシタ」
「それと私が指示した時以外は今まで通りにしていなさい」
「ワカリマシタ」
「記憶の整合も同時にしておくこと」
「ワカリマシタ」
マリエルの改造も滞りなく進み、最後にウーノは錠剤を手渡した。
「これは毎日一錠必ず飲みなさい」
「ワカリマシタ」
ウーノが手渡した錠剤はナノマシン入りの錠剤だった。
ギンガが出かけた後に少しずつ材料を集め、ようやく完成させたものだった。
しかしそんな状況で造られた物に性能など期待できるものではない。
だからこそ毎日の接種が必要になった。
「これで下準備はようやく完了。これから忙しくなりそうね」
ウーノはかつてのスカリエッティのような笑みを浮かべていた。
















そしてギンガはマリエルから期間を開けてのメンテナンスが必要だと伝えられた。
その期間は一週間毎。
想定外の異常が見つかったという事だが、日常生活には問題ないとも言われた。
しかし戦闘や日常からかけ離れた行動は控えるように言われてしまった。
その事もあり、捜査官としての仕事から一時的に離れて事務作業に追われていた。
周りには病気療養という事で納得してもらい、定時に帰ることが多かった。
「ただいま帰りました」
「おかえりなさい、もう夕飯はできているけどどうする?」
「あっじゃあ着替えてきますね」
以前と同じようなやりとりだが、以前とは決定的に違う部分もある。
「お待たせしました」
「そんなに待ってはいないわ」
「フフッではいただきましょう」
それは着替えてきたギンガの服装にも表れている。
以前の彼女ならばロングスカートやカーディガンを好んで着ていたが、
今は張り付くようなタートルネックにタイトなミニスカートを着ている。
服の色も淡い色合いが今では黒や紫を好んで選ぶようになった。
「はむ、うん!今日もウーノさんのご飯は美味しいですね!」
「そう言ってもらえると作りがいがあるわね」
「何か特別な事でもしてるんですか?」
「ええ、隠し味を少しね」
「へぇ~それってなんですか?」
「あら、折角隠しているんだから秘密よ」
「えぇ~?教えてくれてもいいじゃないですか」
「自分で見つけてごらんなさい」
「もう…わかりました」
何気ない風景、その中にもウーノの魔の手は及んでいた。
ギンガが食べている食事にはウーノがマリエルに造らせたナノマシンが入っている。
研究の為と彼女に調査、製造を認可させ、密かにウーノに渡していた。
このナノマシンには戦闘機人を改造する機能が備わっていた。
元々あるパーツを元に最新鋭のパーツへと改造する。
しかしそれを行うのは小さな小さなナノマシン。
どうしても全てを改造するには時間がかかっていた。
だがそれはウーノにとって好都合でもあった。
ギンガの精神改造にも同じく時間がかかる。
ならば時間がかかることは問題ではなかった。
「それで…あっ!」
「あら、ゴメンなさい」
「い、いえ!」
偶々手を伸ばした先にウーノの手があり触れてしまった。
ただそれだけの事なのにギンガは何故が動悸が収まらなかった。
『な、なに?どうしてこんなに胸がドキドキするの?』
ギンガがウーノを見つめると、それに気づいたウーノはニッコリと笑顔を浮かべた。
「!?」
それを見たギンガの胸はさらに動悸が激しくなっていった。
「ご、ご馳走様でした!」
「あら、もう終わり?」
「え、ええ!最近はあまり動いていないので!」
「そう?ならいいけど」
『今日はもうお風呂に入って寝よう』
そう決めたギンガは席を立って浴室に向かって行った。
「ふぅ…気持ちいい…」
湯船につかり、先程の事を思い出していたギンガはボーっとしていた。
『ギンガ』
「は、はい!」
『湯加減はどう?』
「だ、大丈夫です!丁度いいです!」
『そう、なら私も入るわね』
「はい!…え?」
「お邪魔するわね」
そう言ってウーノは浴室に入ってきた。
しかもタオルで隠す事もなく。
「ウ、ウーノさん!?」
「なにかしら?」
「な、なんで此処に!?」
「いえ、貴方の背中でも洗おうかと思ってね」
「い、いいですよ!そんな事しなくても!」
「だったらその後に私もお願いしようかしら」
「えぇ!?」
ギンガは突然の状況に頭が追い付いていなかった。
「じゃあ洗うわね」
「は、はい」
ウーノからの行為にギンガは顔を赤くして俯いていた。
『なんでこんな状況に…というかなんで私はこんなにドキドキしてるの…?』
「どこか痛いとかはない?」
「は、はい…」
「そう…もしかして迷惑だったかしら?」
「え?」
「貴方にはいつもお世話になっているわ。その恩返しが少しでもできればと思ったんだけど」
「…そんな事ありませんよ」
心配そうなウーノの声にギンガは振り返って手を握った。
「私は貴方の事を負担になんか思ったことはありません。今もこうしてウーノさんが
 わたしの為にしてくれている事を嬉しく思っていますよ?」
「そう、ありがとう」
そしてギンガは交代してウーノの背中を流して二人で浴槽に浸かった。
この日よりギンガのウーノに対する依存度は増していった。
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